機関誌「地球のこども」

考えるって面白いかも!? パート4:第6回 学びを測る、成長を図る

文:鴨川光(ジャパンGEMSセンター研究員)

Q どうして学習評価を数値化しなければならないの?

数値は野暮だが役に立つ

先日、GEMSのリーダー養成講座の中で、参加者の中から先のような質問がありました。これは教育に関わる多くの人が、一度は感じたことがある問いではないでしょうか。

テストの点数、通知表の評定、内申点、教育現場にはさまざまな評価のための数値があります。数値化すると結果がわかりやすくなり、他者や過去の成績と比較する時には効果的です。教育に詳しくない子どもや保護者であっても、数値の高低によって学習状況を把握することができます。

しかし、それらの数値には学習のプロセスがすべて表されるわけではありません。例えば、一生懸命勉強して60点だった子と、ヤマが当たって80点だった子がいたとします。2人の点数が表しているのは「どれだけテストが解けたか」であって、努力や理解度はそこから推測するしかありません。

こうした理由から、近年は数値によらない評価も重視され始めましたが、わかりやすさという点では数値が便利なのも事実なのです。

フィードバックは数値の意味を変える

では、この数値のジレンマをどうしたらよいのでしょうか? 僕は、数値化することと、数値を重視することは違うと考えています。点数や評定が上がって初めて「頑張ったね」と褒めることは、暗に数値が上がらなければ努力は認めないと言っているようにも感じられますよね。

僕は小学生の頃に漢字テストで99点をとったことがあるのですが、先生から「鴨川くん、惜しかったね。あと1点だったよ」と言われことが忘れられません。先生は激励のつもりだったのかもしれませんが、99点分の努力が台無しになった気がしてショックでした。

たった一言で、数値の意味は大きく変わります。テストや通知表は、保護者や先生が感想を言うためのものではなく、子ども自身が自分の現在地を確認し、次につなげるためのツールです。

子どもたちの学習を評価するのは、あくまで子どもたちの成長をサポートするため。結果に一喜一憂するよりも、「数字ではこう出ているけど、こういうところを頑張っていたね」と、数値に表れていない部分をフィードバックしてあげたいですよね。

2019年1、2月号

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