事務局日誌

「市民のための環境公開講座」パート3第3回『人間が生きものであることを基本に』

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こんにちは、インターン生の高橋です。

 

パート3「環境問題を見つめなおす」の第3回が開催されました。

第3回は、『人間が生きものであることを基本に』というタイトルで、JT生命誌研究館 館長 中村 桂子 氏からお話を伺いました。

 

 今回の講座では、私たち人間が生きものであり、自然の一部であることを生命誌絵巻を用いて、お話ししていただきました。

 

◎講義の感想

 

講座の冒頭に、中村さんは「本質を問う、内発的に、つまり生きものとして自分の中から出ることだけで考えたいが、時代認識を無視して、生きることはできない。そのために、時代認識を持つことが大切である。また権力に縛られることなく、自由に考え、生きたい。」とおっしゃっていました。

私たち人間が望んでいる生き方を言葉で表現すると中村さんがおっしゃった表現になるのではないかと思いました。権力というものは人によってさまざまな影響があると思います。できることなら権力のない自由な世界を生きていたいとは、誰しも思うことではないかと思いました。

 

○人間は生きものであり、自然の一部であること

 

中村さんが描いた生命誌絵巻(中村さんが生命誌の考え方を誰にでもわかってもらえるように、かつ美しく表現しようと思い、描いたもの)では、人間は生きものであり、人間は自然の一部であることが表現されています。また人間を含め、すべての生物の祖先は一つであり、みんな共通性を持っていることが分かります。

それから、中村さんは「すべての生命は、38億年の歴史を体に持っている。」と講座の中で何回もおっしゃっていました。38億年の歴史とは、地球上の多様な生物すべてが、一種の祖先細胞から進化してきたと考えられていることからきています。

38億年の歴史を体に持っていると考えると、簡単に生物を殺すことはできません。しかし、生きものの場合、他の生きものの命をいただきながら生きていくしかありません。

すべての生きものが38億年の歴史を体に持っているということを少しでも意識することで、他の生きものの命をいただいていることに感謝することができるのではないかと思いました。

 

新・生命誌絵巻では、地球の歴史が描かれています。また、私たちの祖先は幾度かの氷河期を経験し、厳しい環境のなかで生きてきたことが分かります。さらに生命が長い歴史の中で絶えず変化しているとともに、地球もずっと同じではなく、長い時間をかけ、変化していることも分かります。

生命だけでなく、地球も大きく変化していることに、気づかされました。また、人間は自然の一部であることを改めて認識することができました。

 

○現在の社会

 

今の社会では、人間は生命誌絵巻の中に入っておらず、外にいると思っているそうです。生命誌絵巻の中と外では全く異なり、人間は上から目線で中を見ています。代表的な表現が「地球に優しく」だそうです。確かにさまざまなところで「地球に優しく」というキーワードを目にすることが多いです。人類が地球のためにと考えている事を考え方や目線を変えると、私たち人間が上位に立って考えている事に気づかされました。

 

○熱帯林から見る多様性

 

熱帯林は、多様の権化であるそうです。また熱帯林は、キープラントと言われる野生のイチジクと小さなハチによって支えられているそうです。ハチはイチジクの受粉を担いますが、他の受粉者と違い、引き換えに餌ではなく、安全な保育室を提供してもらっています。ハチは受粉を、イチジクは安全な保育室をと長い年月をかけて、互いにひとつの種だけに持ちつ持たれつの関係を築き上げてきました。

ハチとイチジクの関係を聞き、熱帯林は小さな命と植物の共進化によって支えられていることに驚きました。

 

○地質時代から見た地球

 

地質時代としては現在、新生代となっています。しかし、20世紀の半ば人類が核物質を用いたとき、人類が地球を変えたのではないか、本来であれば地球には存在しないはずの核という物質を生んだことによって地球の歴史を変えたから、今の時代を人新世と考えてみてはどうかと地質学の先生から申し出があったそうです。地質時代を人新世に変える、すなわち核物質が地球の歴史を覆すほどの影響があることを認識させられました。

また、中村さんは「私たちの行為が地球の地質時代を変えようとしていることに責任をもたなければならない。さらに、人間のこれからを考えるのであれば、核の問題を考える必要がある。」とおっしゃっていました。

東日本大震災によって原子力発電の安全神話が崩れ、多大なる被害が出ました。また原子力をやめることになっても、廃炉には想像もつかないほどの時間がかかります。中村さんがおっしゃっていた「人間は自然の一部であることを考え、人工を考えること」が大切だなと思いました。

 

今回の講座を通して、私たち人間が生きものであることを再認識し、特別な生物ではなく、あくまで自然の一部であることを学ぶことをできました。

 

 

今回で市民のための環境公開講座、通常講座は以上ですべて終了となります。

すべてのパートがさまざまな学びに繋がったと思います。

ありがとうございました。

 

またエンディング特別講座として、

「都市の洪水を防ぐ驚きのしくみ 環七地下調節池を見学しよう」がありました。

そちらもレポートを掲載しますので、ぜひご覧ください。